この世界は、理樹と鈴が二人で強く生きていくために恭介たちが末期の願いで創り上げた虚構の世界だった。
それゆえ繰り返しプレーするたびに、初期ステータスが上がっていたのね…。
最後にリトルバスターズの面々とする野球。真人、謙吾、そして恭介と次々と別れて、消えていく彼ら。彼らは最期まで友達を心配していたイイ奴らだった…。
修学旅行先で事故に遭ったバスがある。エピソード中に語られていたそれは、実は理樹たちが遭ったもので、今まさに死に瀕していた彼らは生き残った理樹と鈴が強く生きていくために、彼らを強くするためだけの世界を作っていったのだった。
ボールを投げ返し、颯爽と消えていく真人。筋肉馬鹿は最期まで風のように去っていった。何の未練もないように、全てを見送り見届けたように颯爽と。
謙吾は、泣いていた。普段クールで表情を表に出さない彼が。本当に幸せだったと叫ぶ謙吾。ただ別れの握手を交わした時、謙吾はいつもどおりに戻り、そして消えた。
世界の理不尽さに憤り、号泣する恭介。本当に大好きな理樹と鈴を残して突然の事故で死ななければならなかったという理不尽をのろいながら。それでも二人を送り出す。
鈴もまた最後のゆめを観ていた。せっかく仲良くなった友達たち。小毬、クド、葉留佳、美魚、来ヶ谷…。次々と消えていく面影。そして最後に残ったのは一番の親友である小毬だった。
泣き崩れる鈴。友達に告げられた過酷な現実。そして二人は夢から醒める。そこは病院の一室だった。
何度目かのバッドエンド。ベッドに横たわる理樹。その側で塞ぎ込む鈴。彼らに幸せになることなんてできるだろうか。
そして二人はもう何度目かになるかわからない、やり直しを願う。
あの、バス事故に遭った修学旅行の日に戻り、クラスメイト全員を助ける。リトルバスターズを助ける。友達を助ける。
それが二人の願いであった。
スポンサーサイト