中の人がどうにも同じ西園○とかに聞こえる。物静かでいて本のことになると熱弁を振るい、理樹と恭介を掛け算したりと妄想癖もある彼女である。
理樹の誘いでリトルバスターズに入る彼女。ところがある日を境に彼女の存在がどんどん希薄になっていって…。
key作品は、そういえばファンタジーだったなぁと今更ながらに痛感。美魚には彼女の心の投影ともいうべきもう一人の幻影西園美鳥がいた。彼女と美魚を好きになった主人公にしか判別できない存在。それが美鳥。
美魚から影が失われ、美鳥が生まれる。しかも美魚は孤独になりたがっていて、だから美鳥の存在が美魚として現実に滑り込もうとしている。
誰もが美鳥を美魚として認識していく世界で、理樹だけは忘れないようにする。その縋る一縷の望みは、彼女の残した若山牧水の歌集であり、理樹と一緒に作った短歌だった。
風に乗り 白い翼で 君と行く
青の狭間の 常夏の島 非常にいい歌だと思うんだけどね。美魚は独りでありたくて、自分の恋心を否定していた。けれど最後は理樹の思いに応え、消えていた自分を甦らせた。
牧水のとある歌にある
あをを理樹とし、美魚を
白とする。
二色はけして交わらない空と海と白鳥。人間はもともと違うものであり、それゆえに誰もが孤独。
相手の心は知りようがない。だから想像し、知りたいと願う。
とても文学的な、叙情的な文章でした。風景描写とかも多くてコミカルな部分は少なかったと。さすが文学少女の物語だな。
存在を返した美鳥は消えて、美魚の側にいることを願う。最後理樹と美魚のキスの際の白い羽は彼女がいつも側にいる証かな。
夕焼けに手をつなぎながら、顔を真っ赤にさせるCGとか、昼休みいつもの木陰で肩にもたれてうたた寝する美魚とかよい感じでした。
存在とか、ヒトの孤独。そして分かり合い、相手を好きになり、理解しようとする事。
ちょっとそんな哲学的な話題がこの美魚ルートのテーマだったと思いました。
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