2008-05-23 Fri 00:51
|
||
落下する少女の夢、俯瞰を断つ直死の眼 連続する少女たちの飛び降り自殺。現場はすべて、かつては街のシンボルタワー、今では廃墟と化した巫条ビル。屋上には浮遊する「霧絵」がいた・・・。 そして事件が5件を数えた頃、万物の生の綻びと死線を視る能力「直死の魔眼」を持つ両儀式が謎に挑む。
今さら解説などは不要かと思いますが、私が好きな作家の一人である奈須きのこ原作の小説「空の境界」の映像作品である。 池袋にある映画館で単館公開されている作品です。場所が遠い上に、すごい人気だとかでDVDになるのを待っていた。 以前月姫(人によっては黒歴史扱い)やFate stay/nightもアニメ、つまりは動画になってはいたのだけど、両方とも成功していたとは言いがたかった。 1話25分足らずの連作ストーリー。それ自体は悪くない。 キャラクターによくぞ当て込んだといえる声優陣。 これも悪くない。 耳を澄まして聞きたくなるBGM。 これも悪くない。 けれど総じて奈須きのこ作品は、映像化すると評判が芳しくない。それは多分に奈須作品が文章であるから+ゲームだからであろう。 ゲームは30分ずつで切られることもなく、登場人物の台詞だけで構成されているわけでもない。月姫やFate stay/nightを彩るのは登場人物だけではなく、奈須きのこが書き綴る文体そのものが、味わいがあると思う。 で、映像化するからにはそれを忠実に描く、そして非常にクオリティの高いものを見せるしかないと思う。 空の境界が映画化すると聞いた時は、あんな長いのを2時間足らずで収まるのか?と思いきや、全7章を映画化するという。なかなか思い切った事をするものだと思った。 で、今回第一章を見たわけだが、圧倒された。映画という25分の時間制限枠を取っ払い、じっくりと見ることができた。 廃れた巫条ビルのディテールや、墜落死した死体の造形も、よく出来ていた。特に死体はテレビでは放送できないような気がする。映像化したらこんな感じなのかと素直に思った。 シナリオも分かりやすい。初見の人は何が何やらかもしれないが、DVDを買ったり、単館上映を見る人は少なくとも奈須作品に触れたことが、一回はあるだろうから予備知識もあるだろうし。 知っている人は分かるが、最後まで式が性別不明で描いているのは、こだわりだろうか。その前に女性物の下着とかしてるところで分かるといえば分かるのだが。 およそ50分。少々短い気がしたが、満足の出来。あと2回は見直したいと思った。 何の脈絡もない文章ではあるけれど、面白かった事には間違いなかった。 スポンサーサイト
|
||
管理者だけに閲覧 | ||
| 根無草の徒然草 |
|